「新製品出ました」プレスリリースが伝わらない理由
2017.03.07【 オルタナティブ・ブログ 】
「新製品のプレスリリースが記事にならない」「ネットで話題にならない」
イベントの後などの雑談で同じ事をよく聞かれます。
送付先も、送付時期も適切となると、疑うべきは「プレスリリースの中身」です。
大抵の場合 So what?(だから何?)状態になっています。何の部分が抜けているのです。
例えば
「AIを使ったチャットボットサービスが出ました」
だと、
何故今そのサービスが必要とされているの?
それを使って何ができるの?
誰にとって、どう便利になるの?
(例えば、人がいなくても質問に回答出来るため、無人で見込み客の創出につながる、とか)
という部分が抜けてしまっているのです。その部分まで「受け手に考えさせる」となると、受け手に頼り過ぎです。情報の受け手が忙しかったり、その分野の基礎知識がなければスルーされてしまうでしょう。
だから、こんなことができる、だから、こんなに便利になる。
そういう説明や提案が必要になるのです。
プレスリリースではないですが、ジャパネットたかたの伝え方が非常に参考になると思います。
ジャパネットたかたは、製品を紹介するだけで終わらず、だから、こんな風に使えるということを示しています。新機能の理由も説明しています。単なる掃除機、単なるデジカメ、単なるふとん、ではなく、とても便利ないいものであることがわかれば、情報の受け手は興味を示すわけです。
小型ラジオ付ボイスレコーダーを、声が録音出来ますと説明しても「ふーん。だから何?」で終わってしまいますが「(小型でラジオもついている)だから、川沿いを散歩しながらラジオを聞くおじいさんも使える」「(声が録音出来る)だから、お母さんが帰宅する子供の為に声を録音しておけます」といえば、素晴らしい機器だということが伝わります。様々なタイプの利用シーンを見せて「あ、自分にも便利そう」と思ってもらう工夫もされています(いわゆる「他人ごと」ではなく「自分ごと」にする)
記事にならないとか、拡散しないコンテンツは、説明や利用シーンの提案が抜けているケースが多くないでしょうか?
これを伝えると「利用シーンの提案がずれていたら?」と言う人がいますが、実はそれもアリです。
「私はこう思う」と皆さん自分の意見を追加して意見を言いやすくなります。
何も無い所から考えるというのは難しいですが、誰かが出したものについて意見を言う方が格段に敷居が下がります。提示した利用シーンをヒントに新たな利用方法を思いつく人もいることでしょう。
この辺りをじっくり考えてみると大きな変化が起こせるように思います。どんな人にどう使ってもらう為の商品なのか、そんな説明を入れてみてはどうでしょうか?
※オルタナティブ・ブログ 2016/02/16より、掲載時のまま転載しています。